- TOP
- ひきこもり支援に携わる方のためのヒント集
- ひきこもり支援に携わる方のためのヒント集・場面(5)
文字サイズ
ひきこもりVOICE STATION場面(5)他機関との連携に課題を感じた
【具体例】
- 本人が自立することを望み他の関係機関につなげたが、新しい環境を負担に思い再びひきこもり状態になった。
- ひきこもりの状態である他に、生活が困窮している、親の体調が良くないなど、様々な課題がある。
支援のヒント 〜支援を通して得られた担当者の学び・気づきより〜
「関係機関とのスムーズな連携のために認識を合わせる」
- 就労支援等の次の段階へつなぐ際には、現状のアセスメントや関係機関との十分な連絡調整が必要。
- 受け入れ時に福祉事務所と社協で担当者会議を行い、受け入れの可否を決定する様にした。生活困窮や障がいなど複合した課題を抱えるケースについては多くの関係機関と連携して支援に当たる必要があり、適宜別の機関へ繋ぐ必要もあると感じた。
- 高齢者部門の支援者とひきこもり地域支援センターの支援者とで一緒に訪問するなどして、ケースに対する共通の認識もつこと、個々の支援にそれぞれが対応するということではなく家族全体を一緒に支援するという視点をもって支援を進めることが大事。
- 多職種連携による支援が必要なケースについては、できる限り早い段階でケース会議を開催し、支援者間で経緯や情報を共有する機会を設ける。支援者同士が一度顔を合わせ、それぞれの支援内容や役割分担等について整理しておくと、連携がとりやすく、支援もうまく進むことが多い。
- 適当な機関がない場合は、自前で交流会を企画するなどして集団参加を促している。
「多機関で連携する場合には役割分担を明確にする」
- 複数の機関が連携して支援を行う場合、統一的な方針がないため、こちらがどの部分を担えばよいのか、どこがリーダーシップを取ればよいのか、連携先と話し合いながら決めている。
- 役割や求めることを明確にしたうえで、隙間の仕事(どちらがやっても良い内容)をお互いがしていくこと。
「連携して支援を行うことについて当事者の理解を得る」
- 各相談機関での相談結果の共有については、当事者・家族の同意の下に行うことが必要であるが、理解を得ることが課題である。家族・当事者が自己決定できるよう、いくつかの選択肢を提示できることが望ましい。
「包括的な支援ができるよう医療や福祉制度の理解を深める」
- ひきこもり支援の相談員としても医療や福祉の制度についての知識が必要となる。その知識を踏まえて、他機関に任せること、自分たちでするべきことの判断をしていかなければならない。
- 療育手帳や精神障害手帳などを取得し、例えば、障害者雇用の枠での就労等につながる場合もあり、それをきっかけに障害の受容につながることもある。
委員からのサジェスチョン
- 本人や家族が困っていることに対して、様々な機関が包括的に連携して支援していくことが大事です。
- 新しい支援機関につなぐ場合には、本人も交えて顔を合わせて話し合いを行うなどして丁寧につなぎ目をカバーしていくことが大切になります。
- 支援を行う中で感じ取れる課題に対して、スーパーバイズを受けたり他機関と連携して支援を進めたりする中でヒントを得ることは大事なことです。その上で、最終的には現場をよく知っている担当者が、ご本人の意思を確認して進めてみるのが良いと思います。やってみなければ前には進めないため、ヒントを得ながら試行錯誤していくことが重要だと思います。
- 引継ぎや連携の際は、支援者の願いが先走りすぎないよう、常に本人や家族の意思を確認しながら進めたいものです。
関連記事一覧
contents 当事者・経験者の声に触れよう
-
ヒャダインさんからのメッセージ
-
佐々木一医師からのメッセージ
-
海谷一郎さんからあなたへ
-
ボイスTV⑥【仲間とつながる】ゲスト:宮本亞門/宮武将大(一般社団法人hito.toco 代表理事)
-
ボイスTV⑤【親の気持ち 子の気持ち】ゲスト:宮本亞門/池上正樹(KHJ全国ひきこもり家族会連合会副理事)
-
ボイスTV④【お金と仕事のこと】ゲスト:JOY/石井志昂(不登校新聞代表)
-
ボイスTV③【ゲームとかネットとか】ゲスト:JOY/新里渉(元ひきこもりプロゲーマー)
-
ボイスTV② 【ココロと健康】ゲスト:山田ルイ53世/大橋伸和(ひきこもりピアサポーター)
-
ボイスTV①【世間の目がツライ!】ゲスト:山田ルイ53世/林恭子(ひきこもりUX会議代表)
-
ひきこもってた時、つらかったことは?きっかけは?
-
イジメから不登校・ひきこもりへ。20歳で居場所につながり仲間との起業を目指す
-
同じ境遇の仲間がいる、ひとりじゃないって思えたことで救われた
-
生きている意味がないとひきこもり状態に。曲づくりを通じて見えてきたものは?
-
ひきこもり×農業によって、生きづらかった自分が変わっていく
-
10.22ひきこもりVOICE STATION全国キャラバンin TOKYO ダイジェストムービー
-
夏井いつきさんが審査する、おウチde俳句大賞「ひきこもごも部門」
-
ひきこもり経験者、ピアサポーターとして今伝えたいこと
-
経験者として居場所づくりを展開。今、必要な支援とは?
-
22年間ひきこもった息子との暮らしから、わかったこと
-
もっとオンラインでの仕事が増えたらいいのに。プログラマー講師として伝えたい事
-
30年間のひきこもり生活って?回復するきっかけは?
-
大変な東京での仕事。ある日突然、心の病、そしてひきこもりに。
-
家族会の代表・田口ゆりえさん×KHJ池上正樹さん
-
臨床心理士東畑開人さんからひきこもり当事者の皆さんへ
-
松山ケンイチさんと荻上直子さんからあなたへ
-
笑いのたねプロジェクト代表後藤誠子さんにお話を伺いました。
-
安芸福祉保健所の公文一也さんにお話を伺いました。
-
元ひきこもりの自称「惨敗王」の シンガーソングライター哲生さんにお話を伺いました。
-
東京学芸大学准教授 福井里江さんにお話を伺いました。(パート1)
-
東京学芸大学准教授 福井里江さんにお話を伺いました。(パート2)
-
ひきこもりUX会議代表林恭子さん、女性当事者インタビュー
-
株式会社ウチらめっちゃ細かいんで 代表取締役の佐藤啓さんインタビュー
-
ワーカーズコープ連合会 東葛地域福祉事業所 岩佐哲也インタビュー
-
構成担当が、ひきこもりオンライン当事者会に参加してみた。
-
高知ひきこもりピアサポートセンター、ピアサポーター下田つきゆびさんインタビュー
-
ひきこもり当事者の家族会に参加されているご家族の方にお話を伺いました。