- TOP
- ひきこもり支援に携わる方のためのヒント集
- ひきこもり支援に携わる方のためのヒント集・場面(6)
文字サイズ
ひきこもりVOICE STATION場面(6)支援を担当する者が燃え尽きそうになった
【具体例】
- ひきこもり状態である本人が支援を望んでいないように感じられ、何度面談しても本人の変化を捉えることができない。
- 家族は本人が就労することを望んでいるが、本人が拒否的な態度を取り、支援担当者が板挟みになる。
- 本人もしくは家族からの支援に対する期待が大きく、支援者としてプレッシャー感じる。
支援のヒント 〜支援を通して得られた担当者の学び・気づきより〜
「支援担当者自身の気持ちにとらわれない」
- 「こうしなければならない」「○○させたい」という支援者の思いを強く持たないこと。家族ではなく当事者の思いに寄り添った支援を続けていくこと。
「焦らない」
- ケースの状況によっては一度支援を中断する柔軟な判断が必要となる時もある(その際は、またいつでも再開できることを伝えておく)。
- 本人の変化のタイミングが来るまで、支援者も焦らず、寄り添い続けることを常に心掛けている。
- 来所が滞ったケースがあったが、電話や訪問で何とかつながりを持ち繋がっている。現在、関わりを開始してから11年となるが、長期的にサポートすることが大切。
「ひとりではなく関係者/関係機関とともにケースに向き合う」
- ひきこもり支援の担当者同士でケースの共有をしたり、必要に応じて他機関にも協力を求めたりして、特に困難ケースについては、1 人で抱え込まない体制をとるようにしている。
- 辛い経験をした相談員に対して、スーパーバイザーによる面接を随意行うとともに、精神保健福祉センターと連携することも現在進めている。
- 支援者が1人でケースを抱えることがないように、頻繁にスーパーバイズの機会をもち、当事者の特性を理解すること、合理的配慮としてどんなことが必要なのかを検討することが必要。
委員からのサジェスチョン
- 長期間に渡って変化を感じ取れない状況が続くと、支援担当者としても焦りの気持ちが生じるかもしれませんが、ふとしたタイミングで状況に変化が生じる場合があります。継続的に関わっていないとそのタイミングを見逃してしまうため、根気強く支援を続けていくことが大事だと思います。
- 支援担当者も一人の人間ですので、悩んだ時に燃え尽きてしまう場合もあると思います。支援担当者が一人で抱え込むのではなく、関係者や関係機関に相談しながら支援を行うことが出来る体制をとることができるとよいでしょう。
- 支援担当者が燃え尽きてしまいそうな場合、引き際を考えることも大事になってきます。ただし、支援対象者からすると「見放された」と感じる場合もあるため、本人や家族をねぎらい、気持ちを大切にしていることを伝えつつ、丁寧に事情を説明することが大切です。
- 厳しい状況に直面したときだけでなく、日々感じたもやもやを毎回家に持ち帰っていると、それが蓄積されて辛くなることもあります。終業時に短時間でもよいですから、支援者が自分の気持ちを誰かに聞いてもらえる時間があると、救われることも多いです。
- 支援者自身がセルフケアを心がけることも大切です。
関連記事一覧
contents 当事者・経験者の声に触れよう
-
ヒャダインさんからのメッセージ
-
佐々木一医師からのメッセージ
-
海谷一郎さんからあなたへ
-
ボイスTV⑥【仲間とつながる】ゲスト:宮本亞門/宮武将大(一般社団法人hito.toco 代表理事)
-
ボイスTV⑤【親の気持ち 子の気持ち】ゲスト:宮本亞門/池上正樹(KHJ全国ひきこもり家族会連合会副理事)
-
ボイスTV④【お金と仕事のこと】ゲスト:JOY/石井志昂(不登校新聞代表)
-
ボイスTV③【ゲームとかネットとか】ゲスト:JOY/新里渉(元ひきこもりプロゲーマー)
-
ボイスTV② 【ココロと健康】ゲスト:山田ルイ53世/大橋伸和(ひきこもりピアサポーター)
-
ボイスTV①【世間の目がツライ!】ゲスト:山田ルイ53世/林恭子(ひきこもりUX会議代表)
-
ひきこもってた時、つらかったことは?きっかけは?
-
イジメから不登校・ひきこもりへ。20歳で居場所につながり仲間との起業を目指す
-
同じ境遇の仲間がいる、ひとりじゃないって思えたことで救われた
-
生きている意味がないとひきこもり状態に。曲づくりを通じて見えてきたものは?
-
ひきこもり×農業によって、生きづらかった自分が変わっていく
-
10.22ひきこもりVOICE STATION全国キャラバンin TOKYO ダイジェストムービー
-
夏井いつきさんが審査する、おウチde俳句大賞「ひきこもごも部門」
-
ひきこもり経験者、ピアサポーターとして今伝えたいこと
-
経験者として居場所づくりを展開。今、必要な支援とは?
-
22年間ひきこもった息子との暮らしから、わかったこと
-
もっとオンラインでの仕事が増えたらいいのに。プログラマー講師として伝えたい事
-
30年間のひきこもり生活って?回復するきっかけは?
-
大変な東京での仕事。ある日突然、心の病、そしてひきこもりに。
-
家族会の代表・田口ゆりえさん×KHJ池上正樹さん
-
臨床心理士東畑開人さんからひきこもり当事者の皆さんへ
-
松山ケンイチさんと荻上直子さんからあなたへ
-
笑いのたねプロジェクト代表後藤誠子さんにお話を伺いました。
-
安芸福祉保健所の公文一也さんにお話を伺いました。
-
元ひきこもりの自称「惨敗王」の シンガーソングライター哲生さんにお話を伺いました。
-
東京学芸大学准教授 福井里江さんにお話を伺いました。(パート1)
-
東京学芸大学准教授 福井里江さんにお話を伺いました。(パート2)
-
ひきこもりUX会議代表林恭子さん、女性当事者インタビュー
-
株式会社ウチらめっちゃ細かいんで 代表取締役の佐藤啓さんインタビュー
-
ワーカーズコープ連合会 東葛地域福祉事業所 岩佐哲也インタビュー
-
構成担当が、ひきこもりオンライン当事者会に参加してみた。
-
高知ひきこもりピアサポートセンター、ピアサポーター下田つきゆびさんインタビュー
-
ひきこもり当事者の家族会に参加されているご家族の方にお話を伺いました。