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居場所づくりの実践事例集
ひきこもりVOICE STATION地域共生を目指すひきこもりの居場所づくり

長崎県

「ぽこ・あ・ぽこ、ぽれぽれ」(特定非営利活動法人 フリースペース ふきのとう)

※2019年時点での活動情報です。最新の活動状況は各居場所にご確認ください。

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基本情報

  • 居場所名:「街の中の心安らぐ居場所 ぽこ・あ・ぽこ、ぽれぽれ」
  • 主催団体:「特定非営利活動法人 フリースペース ふきのとう」
  • 参加要件:不登校・ひきこもりなどの状態にある、あるいは過去にあった通所希望者
  • 開始時期:30年以上前から不登校児の居場所として、場所不定で不定期開催してきたが、2004年に現在の位置・形態で開設。
  • 開催頻度:週2回。毎週火・土曜日。
  • 利用者数:5~10人
  • 主な財源:補助金(行政)

30年以上前、娘さんがいじめなどにより学校へ行けなくなり、運営者は不登校問題に直面することになった。そこで全国から識者、関係者を佐世保に招聘し、不登校問題に関する学習会や啓発活動を行ったが、フリースペースの意味を理解しない行政と、当時においてはよく対立していた。
初期は教会などを間借りし転々としていたが、2004年ごろから現在の位置に定めて開所するようになった。不登校児が成人し、そのままひきこもりに移行するケースが多く、しだいにひきこもりの居場所の要素も帯びていった。当初は精神障害者を含む大人のための居場所「ぽれぽれ」と、若い不登校児のための居場所を、数十メートル離れた家屋にて別個の空間として設定していたが、前者の利用者が後者に合流することが多く、現在、実質的にそれらは一つの居場所「ふきのとう」となっている。

活動内容

利用者が素のままで居られる空間をめざしており、運営者が利用者に何かを指導するということはない。ときおりヨガ、数学、英会話などを教えられる講師が在室する時間帯もあるが、プログラムとして利用者に学ばせるのではなく、質問者がいれば対応するのに留めている。就労を希望する利用者には、希望する職種に応じて工房、農業、商店などで働く機会を提供している。運営者の長年の活動により、そういう就労体験を利用者に供給する地域のネットワークが整備されている。

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居場所空間内部。ヨガ道場としても使用されている合計20畳ほどの細長い部屋。

特徴

所在する佐世保市はこの地方の中核都市ではあるが、全国的に見ればそれほど大都市ではなく、また県庁所在地でもない。しかし運営者の熱意によって、そこへ全国から不登校ひきこもりに関する知識や方法論が集められ、そのうえに積年の経験を蓄積することによって安定した居場所が運営されている。フリースクール的な要素は除外され「教える」「訓練する」といった方針はなく、利用者がただ「居る」ための場となっている。かたや利用者からの発意は尊重され、それが就労や出版など、多様な方面への活動的発展を生んでいる。 運営するにあたっては、以下のことを大事にしている。

  • ありのままのその人を受け入れる。
  • 初参加者への対応では、気を使いすぎないこと。空気のような存在として受け入れる。
  • 居場所のあり方としては、スタッフは何もしないことをするということ(お風呂屋さんの番台さんのようなあり方)を大切にしている。ルールも利用する人たちで決めてもらう。
  • 長年参加している人にも、同じようにしている。来たいときに来るという感じ。話をしたいときは、きちんと話をする機会をつくるようにする。参加した人の気持ちに寄り添うということを大切にしている。

運営者は利用者たちを温かく見守っている存在にすぎない。そこで利用者たちは主体的に「居る」という時間をすごし、そこから発展して創造性あふれる活動を行っている。こうした柔軟な展開を可能にできる点が本居場所の強みである。
利用者のアンケートにも「寝ても怒られない場所」「強制せず、当事者の自由にさせてください」という声が挙がっている。

一方、制度のはざまに落ちた問題対象者をどのように扱っていくか、という点は課題だ。子ども食堂ほか、市内の他の同種の施設で扱えなくなった対象者が本居場所に紹介されてくることが多いが、まかりまちがえば、そのために本居場所が持つ、不登校ひきこもりのための居場所としての機能が脅かされかねない。関係機関の横断的な連携によって、こうしたケースを解決していくことが本居場所の今後の課題である。

contents 当事者・経験者の声に触れよう

  • 全国キャラバン ㏌ 鹿児島「今わたしにできること〜色んなこころの居場所を考える」

  • 全国キャラバン ㏌ 山口「今わたしにできること〜安心できる第三者の力」

  • 全国キャラバン ㏌ 山形「今わたしにできること〜地域づくりの視点から」

  • 全国キャラバン ㏌ 栃木「今わたしにできること~ひきこもり当事者の家族に対して」

  • 全国キャラバン in 滋賀「今わたしにできること〜多様な立場からの関わり方」

  • ヒャダインさんからのメッセージ

    ヒャダインさんからのメッセージ

  • 佐々木一医師からのメッセージ

    佐々木一医師からのメッセージ

  • ひきこもり広報・海谷一郎さん

    海谷一郎さんからあなたへ

  • ボイスTV⑥【仲間とつながる】ゲスト:宮本亞門/宮武将大(一般社団法人hito.toco 代表理事)

  • ボイスTV⑤【親の気持ち 子の気持ち】ゲスト:宮本亞門/池上正樹(KHJ全国ひきこもり家族会連合会副理事)

  • ボイスTV④【お金と仕事のこと】ゲスト:JOY/石井志昂(不登校新聞代表)

  • ボイスTV③【ゲームとかネットとか】ゲスト:JOY/新里渉(元ひきこもりプロゲーマー)

  • ボイスTV② 【ココロと健康】ゲスト:山田ルイ53世/大橋伸和(ひきこもりピアサポーター)

  • ボイスTV①【世間の目がツライ!】ゲスト:山田ルイ53世/林恭子(ひきこもりUX会議代表)

  • ひきこもってた時、つらかったことは?きっかけは?

  • イジメから不登校・ひきこもりへ。20歳で居場所につながり仲間との起業を目指す

  • 同じ境遇の仲間がいる、ひとりじゃないって思えたことで救われた

  • 生きている意味がないとひきこもり状態に。曲づくりを通じて見えてきたものは?

  • ひきこもり×農業によって、生きづらかった自分が変わっていく

  • もっとオンラインでの仕事が増えたらいいのに。プログラマー講師として伝えたい事

  • 30年間のひきこもり生活って?回復するきっかけは?

  • 大変な東京での仕事。ある日突然、心の病、そしてひきこもりに。

  • 10.22ひきこもりVOICE STATION全国キャラバンin TOKYO ダイジェストムービー

  • 夏井いつきさんが審査する、おウチde俳句大賞「ひきこもごも部門」

  • ひきこもり経験者、ピアサポーターとして今伝えたいこと

  • 経験者として居場所づくりを展開。今、必要な支援とは?

  • 22年間ひきこもった息子との暮らしから、わかったこと

  • 田口ゆりえさん×池上正樹さん

    家族会の代表・田口ゆりえさん×KHJ池上正樹さん

  • 東畑開人さん

    臨床心理士東畑開人さんからひきこもり当事者の皆さんへ

  • 松山ケンイチさんと荻上直子さん

    松山ケンイチさんと荻上直子さんからあなたへ

  • 笑いのたねプロジェクト代表後藤誠子さんにお話を伺いました。

  • 安芸福祉保健所の公文一也さんにお話を伺いました。

  • 元ひきこもりの自称「惨敗王」の シンガーソングライター哲生さんにお話を伺いました。

  • 東京学芸大学准教授 福井里江さんにお話を伺いました。(パート1)

  • 東京学芸大学准教授 福井里江さんにお話を伺いました。(パート2)

  • ひきこもりUX会議代表林恭子さん、女性当事者インタビュー

  • 株式会社ウチらめっちゃ細かいんで 代表取締役の佐藤啓さんインタビュー

  • ワーカーズコープ連合会 東葛地域福祉事業所 岩佐哲也インタビュー

  • 構成担当が、ひきこもりオンライン当事者会に参加してみた。

  • 高知ひきこもりピアサポートセンター、ピアサポーター下田つきゆびさんインタビュー

  • ひきこもり当事者の家族会に参加されているご家族の方にお話を伺いました。

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