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居場所づくりの実践事例集
ひきこもりVOICE STATION地域共生を目指すひきこもりの居場所づくり

大阪府

「みんなのダイアローグ・カフェ」(場づくりカレッジ「えすけーぷ。」)

※2019年時点での活動情報です。最新の活動状況は各居場所にご確認ください。

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基本情報

  • 居場所名:みんなのダイアローグ・カフェ
  • 主催団体:場づくりカレッジ「えすけーぷ。」
  • 世話人名:足達龍彦
  • 参加要件:どなたでも可能
  • 参加費:500円
  • 開始時期:2019年3月
  • 開催頻度:2~3ヶ月に1回程度
  • 参加者数:平均15名
  • 運営財源:イベント参加費

主催者は大学院で教育学や心理学や社会学の知識を現場でどう活かすかを研究する学問である応用人間科学を専攻。その後、ひきこもり若者サポートステーションに勤務。「世の中には、思ったことをフラットな立場で吐き出せる場がない。これはいったい何だろう」と長らく思っていたところ、オープン・ダイアローグと出会い、日本社会には対話の文化がないのだということに気づかされた。そこで対話文化を日本に広げていくために、実験的に本イベントを開始した。

活動内容

数ヶ月に1回「ダイアローグ(対話)」の会を開き、生きづらさを抱える当事者が集まり対話をする。「水族館の水槽にいろいろな魚が泳いでいるように、いろいろな人のいろいろな声が表現される場であってほしい」というのが主催者の希望である。空気のように柔らかくファシリテートしていくのがスタイルであり「意識して、ではなく、自然とこうなった」と語る。

はじめに「呼ばれたい名前」「今日の気分」を述べる自己紹介を時計回りで行う。多くの居場所では、自己紹介の時間が長くなりすぎるケースに主催者が頭を痛めているが、ここでは各自、それほど長くならずに終わる。次に主催者自身がファシリテーターとなって、テーマを投げかける。参加者はそれに対して自由に発言をしていく。ファシリテーターがそれを空気のように柔らかく受け止めて、進行させていく。結論は出さない。

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これまでに行われた対話の実績、テーマは以下のようになっている。

2019年3月23日 第1回:テーマ「私の居場所はどこにあるの?」
2019年4月20日 第2回:テーマ「敏感な自分と、生きにくさ。あるいは豊かさ」
2019年5月25日 第3回:テーマ「つながりたいけど、つながれない」
2019年6月9日 第4回:テーマ「自立することと、依存すること」
2019年11月24日 第5回:テーマ「働くことと、飯を喰うこと。生きること」
2019年12月15日 第6回:テーマ「誰かを好きになることと、寂しさについて」

第4回までは、会場は毎回異なる喫茶店だった。事前にインターネットで場所の告知は行うものの、予め席を取るわけではなく、当日集まった参加者が机を勝手に陣取って開催する。参加費は無料だが、フードやドリンクを一品以上注文することを条件としていた。しかし、この方式では開始時間までに席を確保するのが難しかったため、第5回以降は各自から参加費500円を集めてリレーションハウスを借り、現在の方式で開催するようになっている。こくちーず、facebook、twitterで広報も行っている。ちなみに、この日12月15日(第6回)の参加者は男性13名、女性2名。いつも新規参加者が多く、リピーターは1~2割程度である。

この第6回は、主催者が「誰かを好きになることと、寂しさについて」というテーマを提案、二村ヒトシ『なぜあなたは「愛してくれない人」を好きになるのか(文庫ぎんが堂)』の内容を紹介しながら、恋愛について対話を行った。

参加者は部屋に円形に座り、主催者が会を進行する。「言葉がポツポツと浮かぶような場にしたい」との説明が主催者からあったあと、参加者が一人ずつ自己紹介をする。その後は、話す人が偏らないように、主催者のほうから各自に話を振っていく。参加者個人の悩みや体験が語られる際も、議論やアドバイスになる形ではなく、間接的に話が進むように進行した。

特徴

参加者は男性7割、女性3割。年齢層は20-30代がメインで、下は10代から上は50代まで。明確に「対話」を行う会で「オープン・ダイアローグ(開かれた対話)」を意識している。直接の議論や、結論ありきにならないような雰囲気づくりが行われており、結論が当初のテーマが示すものと異なるものになってもよい。
いわゆるオープン・ダイアローグのメソッドとも「言いっぱなし、聞きっぱなし」とも違う、自由発言方式を取っている。参加者は特に挙手は求められない。あまり対立が激化しないように、柔らかくファシリテートされる。

利用者のアンケートには「参加して満足している点」として「直接的な就労に結びつかなくとも生きていく自信がついた」ことが挙げられている。また運営者側は、利用者へのメッセージとして、この居場所について大事にしている以下のことを伝えたいとしている。

  • 居場所に目的は特に定めていない。
  • やりたくないことをしなくていいところが自分にとっての居場所。
  • 運営では、やっていて自分が楽しいことをすることを大切にしている。
  • また、何かを無理強いすることは避け、スタッフが頑張らないようにすすめている。

contents 当事者・経験者の声に触れよう

  • 佐々木一医師からのメッセージ

    佐々木一医師からのメッセージ

  • ひきこもり広報・海谷一郎さん

    海谷一郎さんからあなたへ

  • ボイスTV⑥【仲間とつながる】ゲスト:宮本亞門/宮武将大(一般社団法人hito.toco 代表理事)

  • ボイスTV⑤【親の気持ち 子の気持ち】ゲスト:宮本亞門/池上正樹(KHJ全国ひきこもり家族会連合会副理事)

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  • ボイスTV③【ゲームとかネットとか】ゲスト:JOY/新里渉(元ひきこもりプロゲーマー)

  • ボイスTV② 【ココロと健康】ゲスト:山田ルイ53世/大橋伸和(ひきこもりピアサポーター)

  • ボイスTV①【世間の目がツライ!】ゲスト:山田ルイ53世/林恭子(ひきこもりUX会議代表)

  • ひきこもってた時、つらかったことは?きっかけは?

  • イジメから不登校・ひきこもりへ。20歳で居場所につながり仲間との起業を目指す

  • 同じ境遇の仲間がいる、ひとりじゃないって思えたことで救われた

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  • ひきこもり×農業によって、生きづらかった自分が変わっていく

  • 10.22ひきこもりVOICE STATION全国キャラバンin TOKYO ダイジェストムービー

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  • ひきこもり経験者、ピアサポーターとして今伝えたいこと

  • 経験者として居場所づくりを展開。今、必要な支援とは?

  • 22年間ひきこもった息子との暮らしから、わかったこと

  • もっとオンラインでの仕事が増えたらいいのに。プログラマー講師として伝えたい事

  • 30年間のひきこもり生活って?回復するきっかけは?

  • 大変な東京での仕事。ある日突然、心の病、そしてひきこもりに。

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    家族会の代表・田口ゆりえさん×KHJ池上正樹さん

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