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ひきこもり支援に携わる方のためのヒント集

ひきこもりVOICE STATION場面(4)さまざまな理由から支援を継続することが難しかった

【具体例】

  • 支援対象者が引っ越すことになり、これまでと同じ支援機関で支援を継続することが難しくなった。
  • 支援者や家族、他の当事者とのトラブルの背景に本人の疾患や障害の影響が感じられる。

支援のヒント 〜支援を通して得られた担当者の学び・気づきより〜

「支援対象者が転居等で相談機関から離れた場所に移る場合」

  • 当事者の方の居住地を所管する保健所に繋ぎ、さらに、通える範囲の医療機関に受診できるようフォローを行った。日頃から地域の相談支援機関との連携は必要不可欠であり、支援において重要なポイントであると考えられる。
  • 本人の病状のアセスメントと、転居先にある相談先への繋ぎをすること。

「感染症拡大への不安により支援が途切れた場合」

  • コロナウイルス感染症拡大防止への対応として、電話相談を提案するなど何らかの接触を維持してゆくよう努めている。

「精神疾患等の関連が考えられる場合」

  • 必要な機関につなぐこと。多くの支援者(民官問わず)と機関としてつながっておくと、誰かにつながり上手くいくことがある。
  • 他の当事者と比較して「自分は頑張っているのに」という思いが強くなることが多い対象者の場合には、集団活動への移行のタイミングなどを注意する必要があると感じた。また、活動について説明を行っているが、障がいのある方には文章等で明確に示す必要がある事を学んだ。
  • ひきこもり支援の中で精神障がいの方の受け入れについては判断が難しい部分があるが、適切に福祉事務所や相談支援事業所等へ繋げていくことも大事であると感じた。
  • 障がいのある方の支援を行う際は、担当者会議を開き各関係機関や専門職と連携しチームで支援していくことが必要であると感じた。
  • 発達障害や精神障害がベースにあるが医療や福祉につながりにくい方がひきこもり相談を長く利用していると、支援者・当事者とも目標が曖昧になっていき、行き詰まっていきかねない。その方の出口を考えながら、関係機関と連携して支援にあたることが必要。
  • 他機関などへのリファーや医療受診を試みたが、本人が拒絶することで支援員にしか支援を求めなくなったケースを経験した。攻撃的な側面が出てからは、早めにケース会議などを開いておけば良かった。

委員からのサジェスチョン

  • 感染症拡大のみならず、地震等の自然災害も支援が途切れるきっかけになりえます。その際は、相談の方法を柔軟に変更するなどして、接点を保てるよう工夫できるとよいでしょう。
  • ひきこもりの状態になることの背景にあるものとして、疾患や障害が影響しているのか、また、本人の生き方や考え方が影響しているのかを整理すると支援の方法にバリエーションが生まれるでしょう。
  • 疾患等が影響している場合には治療が先行するでしょうし、治療が落ち着いた後には社会復帰のための訓練を提案してもよいでしょう。本人の生き方や考え方が影響している場合には、仲間の存在があることがポジティブに働くこともあり、自助グループや居場所での出会いを提案することも考えられます。
  • 「ひきこもりの状態とはこういうことだ」と一括りにできないことに留意したいものです。
  • 他機関に引き継いだり連携したりする時は、本人や家族の意思確認を丁寧におこなうことが必要です。
  • 精神の病は、人と人との間で起こることが多くあります。「病=病院、診断、投薬」という対応だけでなく、その症状の背景に何らかの傷つきやトラウマがある可能性もあるので、その人の体験全体を理解する姿勢で、対話を続けることも大切です。

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